2022/04/25 21:55

一般的には、コーヒーベルトに位置していない日本ではコーヒー栽培は難しいのは、これまでお話してきました。

しかし、かつてそんな日本でも栽培がおこなわれたことがあります。
まず1879(明治12)年、小笠原において行われました。苗はインド、ジャワ島から購入したようで、1882(明治15)年には50本の株に実を結び収穫された記録が残っています。しかしこの後は、防風林のないこの土地では台風などの風害の影響が大きいことや生産性・採算性が低かったことから栽培が途絶えました。
次に沖縄でもチャレンジされました。小笠原の苗を使い、1894(明治27)年に西表島で栽培が開始され、多くが開花結実するなど一定の成果はあげたようですが、気候の影響が大きく、栽培技能も未熟だったことから、成功とはいきませんでした。
また日本統治下の台湾でもコーヒー栽培が各地で行われました。途中葉さび病により全島15,000本以上の木を伐採焼却することもありましたが、葉さび病に強い品種を導入し大規模な栽培に成功しました。しかし日中戦争、太平洋戦争によりコーヒー事業は終焉を迎えます。
このように戦前から取り組まれた国内栽培ですが、戦後においても沖縄の山原で栽培が行われたり、本州でもハウス栽培が行われるなど、決して規模は大きいわけではありませんが取り組まれ続けています。
次回は、そんな国内栽培、特に本州における栽培の最近のお話をしたいと思います。